脱個性のススメ!型にはまってこそ、成功できる
成功者へのインタビューでよく耳にする「既成概念にとらわれない」「型破り」といったキーワード。
誰もがやっていないことをするのは、新たな市場を発見することではもちろん必要なのですが、相当なリスクを伴うことも事実です。
『ドラゴン桜』『インベスターZ』などで知られる漫画家・三田紀房氏の『個性を捨てろ!型にはまれ!』を読みました。
以前ホリエモン、『カイジ』の福本伸行氏とのトークイベントで、漫画家になったきっかけを
「漫画賞の賞金100万円目当て」
「当時は漫画賞が多く、受賞作を読んで自分でも取れそうだったから」
と言っていました。
さらに驚くことに、漫画を描いた経験は今までまったくなかったそうです。これにはさすがのホリエモンもあっけにとられていました。
失敗の原因の9割は、普通のことができなかったから
三田氏はアシスタントたちに、いつも「普通の漫画作品を描け」と言っているそうです。
なぜなら「普通」レベルで描けば雑誌に載せてもらうことはできるし、それを重ねていけば個性なんてあとからついてくる
逆に言えば、「このレベルが描ければ雑誌に載る」という標準クラスの作品が描ければ、掲載され、原稿料がもらえ、生活ができる。
本書では、「普通」であることの素晴らしさを強調します。
そして「失敗の9割は、その普通のことができなかったから」だと述べています。
これは私も身に覚えがあります。思い返すと、これまであった仕事上のトラブルの原因は、報告や確認を怠ったなど、ほとんどが「普通」のことを守らなかったから。
仕事でも漫画でも「普通」レベルの業務をこなせれば、そこそこいい生活が送れるのです。
捨てる勇気、見切る勇気を持つ
仕事のなかで苦手な分野は、最初から捨ててしまう。
もちろん捨てると言ってもゼロではなく、お金をもらえる最低限のレベルは保ちます。
人見知りの激しい人が営業をやっている場合、対人能力を改善するのではなく、商品知識やマーケティング能力を伸ばせばいい。
三田氏は、自分の絵をプロの漫画家として考えた時に、下手だと断言しています。
ただ、最低限のレベルはクリアしてる。だったらあとはストーリーやキャラクターの魅力で勝負すればいい。
劣っている能力はそこそこで見切って、得意分野を伸ばす。
- 絵は超絶うまいけど、ストーリーやキャラクターがクソな漫画
- 絵はそこそこだけど、ストーリーやキャラクターにとても魅力がある漫画
あなたはどちらを選びますか??
そこにないものを見つけだす能力
三田氏の考えは、徹底して合理的です。
たとえば、Aという漫画誌があって、そこに自分を売り込みたい。どうにかして連載を持ちたいとする。
このとき、僕は自分の「得意分野」や「やりたいこと」などで勝負することはしない。
漫画誌をパラパラとめくって、「空席」を探すのだ。
ここでいう空席とは、ジャンルのかぶらない漫画のこと。たしかに、1冊の漫画誌に同じような漫画はいらないですし、たとえ面白くても読者にとって目新しさはありません。
仕事とは「他人の需要に応えるもの」だ。自分を表現するとか、自己実現とか、そんなふわふわしたことをいっているようでは、いつまでたっても仕事にならない。
他人の需要をみつけ、その需要を満たすことができればお金になる。
ほとんどの場合、その需要はそんなに難しいことではありません。「普通」をクリアできれば満たすことができるのです。
世の中、型にはまればうまくいくようにできている
- 個性なんか捨てて、とりあえず『型』にはまれ。
- 世の中、型にはまればうまくいくようにできている。
- 動けなくなる原因は、個性にこだわっているから。
たしかに型破りの成功者は目立ちますが、目指す存在ではありません。
まずは型にどっぷりとはまって、普通を目指すことからはじめてみようと思います。